基調報告 (第42回近畿ろうあ青年研究討論会)

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今年8月5日に文部科学省の「学校基本調査」で、2010年春の4年制大学を卒業した学生の就職率が、過去最大の下げ幅となる60.8%を記録しました。
 また、今年9月22日に、厚生労働省が生活保護の受給世帯が過去最多となる137万世帯、190万人以上の受給を記録しました。
この受給数は、戦後の混乱の余波の影響を受けた1955年度以来の数字です。
 それだけではなく、都道府県で指定した最低賃金で働くより生活保護を受ける方が収入が多い「逆転現象」も起きています。
どんなに一生懸命に働いても、十分な収入を得ることができないということです。
世帯ごとの所得格差を示す「ジニ係数」も過去最大を記録しました。
非正規雇用や失業者が多 い若年世代の経済的困窮は特に深刻をきわめています。

 一方、福祉においては、障害者権利条約の締結に必要な国内法の整備も含めて、我が国の障害者制度について集中的な改革がおこなわれています。
その内閣府の「障がい者制度改革推進会議」に、私たちの加盟団体である財団法人全日本ろうあ連盟から委員を派遣するなど、制度改革に参画しています。
同時に、社会のあらゆる場面で情報アクセスとコミュニケーションの権利を保障する法制度の実現に向けて、全日本ろうあ連盟をはじめ6団体が全国で30万部の冊子と、120万筆の署名を集める「We Love コミュニケーション」運動が展開しました。

 私たちは「手話」というコミュニケーション手段があります。
「手話」で生きている人たちも自立、社会参加する権利は有しています。

なぜ、毎日が楽しくないのだろうか。
なぜ、満足に働けないのだろうか。
なぜ、結婚・出産に希望を持てないのだろうか。
なぜ、いきいきとスポーツできないのだろうか。
なぜ、文化・芸術活動に触れ合う機会が少ないのだろうか。
なぜ、我慢を強いられなければならないのだろうか。
私たちは、辛抱することに慣れたのだろうか。

これらの疑問を、ひとつひとつ紐とくことが私たち青年たちに課せられたテーマです。
手話で「未来」について語り合い、私たち自身が未来への青信号を灯しましょう。

近畿ろうあ連盟 青年部

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