全国ろうあ青年研究討論会のメインといえば、
やはり「分科会」です。
大会名を見ての通り〝討論の場〟が用意されています。
今回の分科会は、次の5つに分かれています。
◆ 福祉制度
◆ 人権
◆ 地域
◆ 労働
◆ 教育
※年度によっては、
分科会の数やテーマが変わる場合もあります。
あとで各分科会の参加者に感想を聞いたところ、
どの分科会も白熱した議論が展開されたようです。
参加する目的が多少違えど―
全国からろう青年および聞こえる同年代が集まりますので、
府県規模の行事とは〝活動熱〟がまた違いますね。
5つの分科会とは別に、講座「入門」も設けられています。
◆ 青年部とは?
◆ どんな組織なの?
◆ ろうあ運動とは?
等々、テーマや講師は年度ごとに変わりますが、
基本的なことを学べるようになっていますので、
初めて参加される方には、オススメです。
前置きが長くなってしまいましたが、
ココでは、自分が参加した「教育」に絞って
内容や感想を書き綴りたいと思います。
今回は、一般財団法人全日本ろうあ連盟の
教育・文化委員会 委員長の石橋 大吾氏を講師に迎え、
「ろう教育」についてお話いただきました。
生い立ちの話では講師と育った環境は多少異なりますが、
「そんなこともあったな」「進路には結構なやんだな」と
幼いときの自分と重ね合わせながら聴いてしまいました。
◆ 口話教育
◆ コミュニケーションエラー
◆ 手話言語との出会い
要は、似たような境遇であった上、
共感する部分が多かったということでしょうか。
改めて、小中学校にあった難聴学級の存在、
そして、そこに通えるように引っ越し等、
いろいろ動いてくれた両親へのありがたみを感じましたね。
その他、人工内耳に関するお話も出てきました。
◆ 新生児スクリーニング検査のおかげで
昔と比べると、聴覚障害の早期発見ができるようになった。
⇒ そのあとの初期教育が鍵である。
◆ 人工内耳装用=聞こえる人と同じになれるのではない。
⇒ 聞こえない子どものコミュニケーション方法の一つとして
手話言語の情報が必ず提供されること。
◆ 「音声日本語」か「手話言語」の二者択一ではなく、
その子どもの聞こえの程度や、子どもや親の意思に応じて、
どちらとも与え、子どもが成長してから
どのようなコミュニケーション方法を望むかを本人に選択させるべき。
◆ 私たちの目指す『共生社会』とは?
◆ 大阪府 乳幼児期手話獲得支援事業「こめっこ」の例
◆ 日本耳鼻咽喉科学会や言語聴覚士協会
そして、厚生労働所・文部科学省との意見交換を通して
聴覚障害児の教育のあり方について要望を出す。
⇒ 関係団体への理解を促し、巻き込んでいくことも大切。
各府県でも教育委員会とやりとりする機会があれば、
当事者から働きかけてほしいとお願いがあった。
講演の次に、ワークショップがあったのですが、
これを読んでいる皆さんも
ぜひ一緒に考えてみてください。
『学校に新しい科目を取り入れるとしたら?』
なかなか面白い発想です。
むしろ内容によっては、実現していただきたいです。
「自分たちが義務教育を受ける立場だったら、
こんな授業を受けたかった!」
「聞こえる子どもとの相互理解に
つながるような授業があったらいいな!」
そう思いながら、参加者が提案した科目には、
「手話言語」「ろう者学」「職業論」「国際手話」等々。
子どものときにロールモデルとなる、
先輩と触れ合う機会がたくさんあったら、
また違った人生を送っていたんじゃないか?
と思うこともしばしばあります。
このような機会も教育の一環だと思います。
机上の学習が全てではありません。
地元に持ち帰り、ロールモデルの一人として
ろう子どもと交流する場を積極的に設けていくことが
私たち青年の役目なんだなと再確認できた分科会でした。
全青研に関わった皆さん、お疲れさまでした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。